大成ファインケミカル株式会社

樹脂事業部

1WX4級アンモニウム塩タイプ親水性ポリマー開発品

製品属性
  • 油性
  • 二液硬化
  • 変性アクリルポリマー

特長

アクリット1WXシリーズは、親水化剤としてご使用いただけます。
様々な溶剤、樹脂への溶解性が良好です。コーティグ剤へ添加して、ご使用いただく設計になっています。

  • 親水性付与できる
    4級アンモニウム塩の親水性によって、少量添加でベース樹脂の表面に配向し、接触角を低下させます。
  • 耐久性が良好
    OH基を含んでいるため、イソシアネードなど各種官能基と共有結合を形成することで、耐久性が良好となります。
  • 相溶性がよい
    アルコール系溶剤だけでなく、ケトン系・エステル系溶剤への溶解性が良好です。

構造図

1WX構造図

性状値

下記2品種をラインナップしております。OH基の有無が異なります。
1WX-1020では水酸基価が40ですが、1WX-1028はOH基が含まれておりません。

*不揮発分[%]:105℃/2h 粘度[mPa・s]:BM粘度計(25℃) 溶剤組成:PGM=メトキシプロパノール MEK=メチルエチルケトン
※参考データであり、保証するものではありません。
品名 タイプ 不揮発分[%] 粘度[mPa・s] 酸価[ワニス] OH価[Solid] 溶剤組成
1WX-1020 カチオン 39.5±1.0 17±10 21.7±1.5 40 PGM/MEK
1WX-1028 カチオン 40.5±1.5 15±10 20.0±2.0 0 PGM/MEK

OH基は主剤と共有結合を形成できるため、耐久性向上に効果的な一方で、親水性を低下させる要因でもあります。そこで、1WX-1028ではOH基をなくして、より親水性の高くしています。

物性データ

弊社アクリルポリオールとイソシアネートを主剤に、1WXシリーズを添加して接触角を測定しました。
主剤に1WXシリーズを10%添加し、酢酸エチルで希釈して、バーコーターにて膜を作成しました。その後、50℃/16hエージングして、接触角を測定しています。
アクリルポリオールは、分子量7万・Tg43℃・OH価40の弊社樹脂で、硬化剤には旭化成㈱のデュラネートTPA-100を使用しています。硬化剤の量を変えての結果も記載していますので、ご参照ください。

接触角<主剤:ポリオール-イソシア系>

*配合 硬化剤:デュラネートTPA-100(旭化成㈱) 希釈溶剤:EAC(酢酸エチル) 塗膜乾燥条件:80℃/1分
*接触角 エージング:50℃/16Hrs 膜厚:5μ 基材:PET(コスモシャインA4300) 接触角測定機器:KSV社製 CAM200
※参考データであり、保証するものではありません。
No 接触角 配合
ポリオール 硬化剤 1WX-1020 1WX-1028
STD 90° 90 10
1 34.4° 80 10 10
2 37.3° 83.5 6.5 10
3 14.4° 80.9 9.1 10
4 17.2° 84.1 5.9 10

耐久性試験

上表の試験片で耐久性試験を実施しました。耐湿熱試験・水浸漬試験・流水試験の3種類で実施しました。試験方法は以下の通りです。

耐湿熱試験:温度60℃・湿度80%の条件下で、72時間置いた後の接触角
水浸漬試験:30分間、常温水につけてふき取った後の接触角
流水試験:水道水を3分間流し当てて、ふき取った後の接触角

*配合 硬化剤:デュラネートTPA-100(旭化成㈱) 希釈溶剤:EAC(酢酸エチル) 塗膜乾燥条件:80℃/1分
*接触角 エージング:50℃/16Hrs 膜厚:5μ 基材:PET(コスモシャインA4300) 接触角測定機器:KSV社製 CAM200
※参考データであり、保証するものではありません。
No 接触角
初期 60℃/80%/72h 水浸漬 流水
STD 90° -
1 34.4° 22.7° 58.8° 54.1°
2 37.3° 19.9° 43.4° 35.5°
3 14.4° 12.6° 67.1° 55.3°
4 17.2° 10.1° 66.4° 61.9°

耐湿熱試験(60℃/80%/72h)では親水性を維持することができました。
一方で、水浸漬試験や流水試験では、全体的に接触角が上がってしまいました。 これは、1WXが水で溶出したのではなく、塗膜の表層から内部へこもってしまったためと考えています。
その中で、No.2の配合では、1WX-1020を使用していますが、水浸漬試験や流水試験後も接触角が下がっています。水への耐久性は課題ではありますが、1WXシリーズは条件次第では、耐久性がある材料です。

相溶性<溶剤>

各種溶剤への溶解性を試験いたしました。固形分を5%になるまで溶剤で希釈したときの溶解性です。アルコール系溶剤だけでなく、ケトン系、エステル系溶剤への溶解性も良好です。

*配合 硬化剤:デュラネートTPA-100(旭化成㈱) 希釈溶剤:EAC(酢酸エチル) 塗膜乾燥条件:80℃/1分
*接触角 エージング:50℃/16Hrs 膜厚:5μ 基材:PET(コスモシャインA4300) 接触角測定機器:KSV社製 CAM200
※参考データであり、保証するものではありません。
品名  MeOH PGM MEK EAC
1WX-1020
1WX-1028
■法規制について

法令を遵守し、弊社SDSをご参照の上、ご使用ください。

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